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こんにちは。アニィです。
この小説もだんだん形になりつつあり、今ではまるでアイスクリームに例えるとチョコレートやストロベリーの様な必ず無いと困る様な存在になりつつあります。まぁアニィ的に考えると読んでくれる皆さんが楽しんで頂けるだけでストロベリーが抹茶でもマンゴーでも構わない訳なんですけどね…。まぁそんなこんなで今回も始めたいと思います。

剛志自身も自分の事は誰よりも判っているらしく、出逢った時はもの凄く控えめでネガティブな男でした。話は場内指名を受けた後のストーリーに戻りますが、3人がそれぞれ一人ずつ指名を受ける中で、私がこの剛志の指名をもらう形になりました。正直、当初は顔も性格も何一つ私を納得させるものが無く、私はその三人の中で一番引いてはいけないカードを引いてしまった、そんな想いでいっぱいでした。ただ一つだけ同じ香りを感じたのは、私自身が男嫌いになるまで男達に受けてきた仕打ちを、剛志は逆の形で受けてきていた。それが私達の共通点であり、この共通点がお互いの気持ちを変化させるきっかけに変わったと言う訳です。しかし、この時は男嫌いと女嫌いのカップルが後に誕生するなんて夢にも思わなかったと言うのが本音ですけど…。

指名を受け、話をする中で当然の様にそう言うネガティブな話が続いた訳ですが、剛志が言った一言が私の心の中に引っ掛かるものを、ものの見事に打ち抜きました。その言葉がズバリこれです。
「色んなケースがあると思うけど、今考えるとそう言った今まで出逢ってきた女性が全て悪いって訳じゃないんだよね。つい最近まで悲観的に考えてきたのだけれども、その原因の中に自分の悪いところが少しでもあったんだと最近思う様にしたんだ。人間って絶対自分自身を守ってしまう寂しい生き物だけれど、それをちゃんと受け止められた時に、はじめて次の扉が開くんだよね。だから今まで出逢ってきた女性も自分自身にとっては、いい教材であり自分を成長させる為に与えてくれた試練なんだって考えたら、もの凄く楽になったんだ。だから、目線を変えてモノを見る事ってとても必要なんだよね。」
私はこの言葉を聞いた瞬間、ふと私自身の過去に置き換えて考えた時、剛志と同じ気持ちになれた事を今でも忘れません。この私にとってもの凄く貴重な一言が、私の中の剛志に対する見方を変え、気が付けばいつの間にか、「この人の引き出しを覗いてみたい。」と興味を持つ様になっていました。

興味を持ち出すと容姿とか、もうそんな事はどうでも良くなり、私はただただ剛志の話に耳を傾けていました。男嫌いである私がこの仕事について唯一と言っていい位、男である事も逆の会話も意識しなくなる程のめり込み、気が付けば剛志の事が凄く気になってしまいました。その想いはその日別れてからもずっと続き、街角で流れていた♪恋しちゃったんだ 多分気付いてないでしょ
(YUI Che.R.Ry 勝手に使わせてもらっちゃいました…。YUIさんごめんなさい!)と言うフレーズに「ほっとけ!」と自らつっこんでしまう位、別れてからも剛志の事が頭から離れなかった事を今でも覚えています。

その後しばらくその3人の来店はありませんでした。来なければ来ないだけ私の中の剛志への想いは大きく膨らんでいく一方で、あの日何故携帯の番号を聞いておかなかったんだろうと後々後悔する程でした。その前に言っておきますが、私は仕事でも携帯の番号やメールアドレスには全く無縁の人間で、普通は教えて、教えて貰って営業をかけるとキャバクラ嬢にとっては一番のお仕事なのではありますが、男嫌いの私がそんな面倒な事する訳が無いです。それに教えてしまったらプライベートは無くなってしまうと考えるとゾッとするので、私は一期一会の出逢いを大切にするのでそんな営業をかけなくても、気に入ればお客の方から店にやって来るからと店の人間にはそう説得して今までやってきた訳です。その私が後悔するほど教えたいなんて、他の私のお客さんが聞いたら卒倒するんじゃないでしょうか?それ位私の心の中は変化しているのでありました。

逢えなければ逢えないほど想いは募る気になる存在。いつの間に剛志は私の中でそう言う存在になっていました。来る日も来る日も他のお客さんの相手をしていても頭の中には必ずと言っていい程、剛志が浮かんでくる。決していい男では無いのに…。何故か気になってしまう。そんな時でした。
「ナナさんご指名頂きました。」店長直々に声が掛かった。私は、こう言う気持ちの中で指名を頂いても…。心ここにあらずの状況下の中どうしていい仕事が出来ようものかそんな風に考えていたのですが、その後すぐに、暗かった私の心の中に爽やかな風が流れました。
「中々来れなくてゴメンね。」目の前に現れたのは間違いなく私が一番逢いたいと思っていた剛志だったのです。

と言う事で今回はこの辺にしておきたいと思います。見てる人の中では、この続きが気になっちゃったりするのかな?ってアニィは考えるのですが、続きが気になるって言ってくれる人が居るとしたら、書き込む甲斐があるなぁと言う喜びを隠しつつ今回は締めたいと思います。
それでは、次回8月12日にまたお会いしましょう。

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

こんにちは。アニィです。
さて、連載3回目の今回から物語が少しずつ動き始めます。ここからやっと物語らしい構成になってくると思うので、やっとそれなりに楽しんで頂けるのではないでしょうか?それでは、本編の始まりです。

この日は朝からどんよりとした雲行きで今にでも雨が降り出しそうなそんな天気だった。当然こんな雲行きの日は客の出足は遠く、店の中は閑古鳥が鳴いていた。どうせなら台風でも派手に通過して店自体お休みになってしまえばいいのに…。私はそんな事を考えてた位、ともかく暇だった。
そんな暇な状況下に3人のお客がやって来た。3人とも全く見た事も無い顔触れだ。それもそのはず、今日たまたまふらっと通りかかった際、その中の一人の「ちょっと遊んで行こうぜ。」と言う言葉がきっかけで来店頂いたのだから。

店の中はさっきも話した通り、客はこの3人だけしか居ない。この3人に対し、私と瀬奈と愛子の3人が着く事になった。
この店ではこのケースはもの凄くレアである。
ある意味オールスターゲームの様だ。
こんな時は最初が肝心と、私から突破口を開くべく3人にこう挨拶をした。「初めまして!今日皆さんのお相手をさせて頂く、カレン・ロバート19歳。ポジションはFWやってます。ヨロシくっす。」
すると突然シベリアの方からもの凄い寒気がこの店を包み込んだ。
それもそのはず、まだ出逢った事も無いお客さんに対し、いくらサッカーが盛り上がっていると言っても、カレン・ロバートはマニアックすぎる。せめて田中達也位にしておけば良かった。(そう言う問題では無いのだが…。)
その寒気を吹き飛ばしてくれたのは、やはり空気の読める出来る子、愛子だった。愛子はすかさず「うけりゅー!なにその自己紹介。私もやるぅ。初めまして。私の名前は三都主・アレサンドロです。MFやらしてもらってます。ヨロシくっす。」と。
私は心の中で「その寒い空気を更にかぶせるのぉ。」とお客の顔色を伺ったが、その後すぐ、場内は笑いの渦に包まれた。
「君、相当面白いね。」お客の一人がそう言うと、もう一人がこう付け加えた。「けっこう可愛い顔してるのに意外だね。」と。
私はやはり愛子は凄いと思った。こんな些細な挨拶をも拾って自分自身の笑いに変えてしまう。そして私がスベッてる事を既に忘れさせてくれている。やっぱり可愛いって特権だなぁってつくずく思った。
しかし可愛過ぎるのも罪なものである。その後しばらくは愛子の話題で持ち切りになり、瀬奈も私もその場に居ずらくなる程だった。
すると、「ねぇ、せっかくだから愛ちゃんのお天気の今日の愛言葉ってやつ見せてよ。」とお客の1人の無茶振りが始まった。
だが、ここからが愛子の真骨頂を垣間見る形となった。「今日は3人とも笑顔が揃っているのでとてもいい天気です。そう言う訳で今日の愛言葉。場内指名を入れてくれると今日はとても過ごし易い晴れやかな気持ちになれるはずなので、場内指名を愛子的にはオススメしたいと思います。以上今日のお天気でした。」
「いやいや。よくぞそこまで…。」と私が感心している間に、この愛子一人の活躍により3人は場内指名を勝ち取った。今考えればこの愛子の活躍が私の未来に変化をもたらしてくれたと言っても過言では無い。

さて今まで私の未来に変化をもたらす話がちょいちょい挟まれてきたのだが、言わなくても判っているとは思うが、この3人の中にその原因分子がある。
ここでこの3人を紹介しておこう。まず一人目は葛西誠二と言う。この3人の中では一番明るく何か華がある。芸能人で言うとTOKIOの長瀬みたいな感じで面白いイケメンではあるが残念ながら私の相手はこの人では無い。ちなみに先程の無茶振りはこの人である。
二人目は中谷徹也と言う。どっしり構えていていつも第3者的な立場で物事を見ている。また芸能人に例えるが知的な小泉孝太郎みたいなこれまたイケメンなのだが、またしてもこの人は私の相手では無い。
と言う事でこの先、私とのドラマが生まれる3人目を紹介する事にしよう。彼の名前は松崎剛志と言う。この3人の中では顔つきも何も一番劣るのは否定しない。判り易く芸能人で例えればガレッジセールのゴリが一番近いだろう。こんな男となんで男嫌いの私がくっつくの?って10人が10人そう感じるであろうと思います。でもそれについて一番驚いているのは、何を隠そうこの私です。(今、思い返せばね…。)
どこでどう歯車が狂って、どうして彼が関わってくるのかは、この先のストーリーの中で明らかになって行きます。

まだ先が気になるでしょうけど、今回はここまでとさせて頂きます。明らかに3回目の今回に出会いが訪れました。出会いがあれば出会いの中に縁があり、それがそれと無く色々な形に変わっていくものです。これだから、ヒューマンストーリーって面白かったりするんですよね。
と、このまま書いていると先のストーリーを書き込んでしまいそうになるのでこの辺で失礼させて頂きたいと思います。
次回7月30日にまたお会いしましょう。

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

こんにちは。アニィです。
さて、今回は連載小説の2回目と言う事で皆さんが待ちに待った(ってそれ程待っては無いか…)前回の続きをお届けしたいと思います。

申し遅れたがここで私の事を少し紹介しておこう。私の名前は工藤薫。
歳については…「いくつに見えます?」って見えもしないのだから判る訳無いですよね。でも仕事中は歳の話になると決まってこう答えている。だって心の中の私は「歳、聞いた所で給料が上がる訳でも無いのだから必要ないだろう。何でこんな下らない事に興味を持つのかな?」っていつも思っていたのだから。
まぁ私の歳についてはあえてご想像にお任せするとしよう。もったいぶる訳では無いが、私もいい年なのでこの話は出来るだけあっさり流して次に行きたい。
この仕事場には友達の紹介で入った訳だが、正直お金に困っていると言う訳では無かった。
その当時は前にも述べたが男達への憎悪の部分で入ったのだが、心の奥底ではそんな男嫌いを少しでも解消出来るのでは…と言う思いもあったのは事実だ。ちなみに店での源氏名はナナと言う名前で働いている。結構可愛らしい名前でしょ。(ってお前が言うな!)

ちなみに、紹介してくれた私の友達はこの店の人気上位を占めている。
あっ、言い忘れたが友達は一人では無い。せっかくだから友達も紹介しておこう。
まず一人目だが名前は皆藤瀬奈と言う。芸能人で言ったらどことなくリア・ディゾンに似ている。とても可愛らしい子だ。その上会話のセンスも長けていてどんなお客さんにも合わせた話が出来る。ある意味この世界の女王だと私は思っている。この店での源氏名はナオだ。
そして二人目だが名前は中野愛子と言う。この子は目覚ましテレビのお天気キャスターの愛ちゃんに雰囲気が似ており、名前もかぶっているので、ある意味この店の愛ちゃんだ。と言っても、天気は予想しないし出来ないのだが…。ただ頭の回転が速く、空気を読む事に長けている。私も壊れた空気を何度、この子に持ち直して貰ったか…。その数は計り知れない。
ちなみに愛子の源氏名はアイだ。どうやら店の人に命名された様だった。最初は名前にかぶっていたので嫌がってはいたが、最近では板についてきたらしく結構気に入ってる様だ。
この二人が居るお陰でこの店が繁盛していると言っても過言では無い。その位、この二人を友達に持つ私はまるで水戸黄門の助さん格さんを従えている黄門様くらい心強く、この二人が居るからこそこの店でまだ続けていけているのである。だいたい私は男が嫌いなのだから
本当は長く続かないと思われても仕方ないのだから。

こんな私の人生が、この仕事により今後180度変わってしまう事をこの時はまだ知らずにいた。ある一人の男に出会った事で…。

また仕事の話に戻るが、基本仕事中は私は全て逆の考えを答える様にしていた。私が思う逆の言葉が一番受けがいいと感じたからだ。
慣れるまでは大変だった。男自体が好きでは無いのでどうしても思いが顔に出てしまう時がしばらく続いたので…。
これを読んでいる人には逆の考えと言っても、イマイチ伝わらないかも知れないので、簡単ではあるが例をあげよう。
例えばこんな感じだ。
仕事中の私(以下仕事):「今日は素敵なお洋服を着てらっしゃいますよ。」
心の中の私(以下本音):「うわぁ、ありえないその洋服。よく恥ずかしくないよな…。」
仕事:「今日はずっと○○さんと一緒に居たいなぁ。」
本音:「本当は今すぐにでもこの場から立ち去りたいけどね…。」
仕事:「でも○○さんにはなるべく無駄なお金使わせたくないから…。」
本音:「いいから早くお金使っちゃって下さい。その方がスッキリします。」
仕事:「嬉しい。前から欲しかったんだぁ。大事にするからね。本当ありがとう。」
本音:「はい。また一人貢物持ってきました。質屋で別の人に大事にされると思います。」
こんな感じ。自分の思っている本音を伏せて、逆の事だけ言っておけば凄く仕事がし易くなる。これだけで世の中の馬鹿な男達が私の前に平伏す。私はそれだけでも今まで感じてきた辛い思い出がチャラに出来る位の優越感に浸る事が出来ていた。だけど、この日のこの出会いを境に、私の人生の歯車が少しずつ変わり始めたのだった。

今回はちょっと長めに掲載させて頂いたので、携帯でご覧になっている方は少々辛かった事と思います。ですがようやく物語が進展を見せる位置までたどり着いたので、次回から物語が動き出しますので楽しみに待っていて下さい。
それでは次回7月18日にまたお会いしましょう。

テーマ : 自作連載小説 - ジャンル : 小説・文学

こんにちは。アニィです。
連載小説を予告してからとうとうスタートと相成りました。色々と告知とかさせて頂いてる間に、本編の方は順調に仕上がりつつあります。本日よりタイトル未定のこの物語を掲載させて頂きますので、どうぞ最終回まで楽しんで下さいます様お願い申し上げます。
さて、硬いご挨拶はこの位にして、これより本編のスタートです。

どこまでも続く青く澄んだ空を見上げて、私は大きく深呼吸をした。
「私はもう大丈夫。今日も一日笑顔で頑張るから…。」
私の中の短くて長い貴重な3年間を胸に刻んで、明るく頑張る事が私にとって何より必要な事だとある人が教えてくれたから…。

今振り返れば不思議な感情だが、私は男の人が大嫌いだった。
何故なら男の人は自分勝手で、平気ですぐ嘘をつくし、平気で人を裏切る。
私自身、そうした男の人達に苦労してきた一人だから…。
過去を振り返ると私の脳裏には今でも忘れられない嫌な思い出が走馬灯の様に映し出される。
小学生の時の私は少しマセていたのかも知れない。男の人はすぐキスをしたがるものだと勝手に思い込み、好きな人に対して相手も私が好きだと思うし、それならば絶対、私から言わなくてもキスを求めてくるだろうと感じ、私からキスを求めたら「気持ち悪い!」と鳩尾(みぞおち)にパンチをもらい、子供ながら悶絶した思い出もある。(これは私が悪いのだが…。)
中学の時は告白されて付き合ったのにも関わらず、私自身の心が彼の事をようやく好きになった時に偶然、違う女の人と一緒に居る現場に遭遇してしまい、「誰なの?」と問い掛けると、その時返ってきた言葉が「お前こそ誰だよ?俺はお前なんか知らない。」としらを切られ、その場でしゃがみ込み、泣き崩れる私に見向きもせずに去られた苦い思い出もある。
高校時代は…。言っておくがここで話している話は決して私の不幸自慢なんかでは無い。
そう言った過去の苦い思い出が私の男嫌いを増徴させたのだ。だから私はこれからもこの先も男の人を簡単には好きにならないと思っていた。逆に今まで苦しめられた男達に仕返しをしてやりたいと思っていた位だ。3年前の私はそんな悲観的な女だった事は否定しない。

過去の話からこの物語ををスタートさせるが、私は男嫌いのくせにキャバクラで働いている。
男嫌いなのに何故?って思う人も居るだろう。今振り返れば、私もそう感じる。
だが私は当時こう考えていた。世の中の馬鹿な男達を調子に乗らすだけ乗らして心でけなしてやろうと。決して表面に映る事は無いのだが、今まで苦い思いをしてきたのだからこれぐらい当然の事では無いだろうか?当時の私はそう勝手に心に言い聞かせていた。

物語はまだ本当にさわりの部分だけなので、この先の話の展開はまだ全然読み取れない事とは思いますが、携帯でご覧になっている方々に長文は結構辛いと感じる為、誠に勝手ながら連載小説の初日はこの辺で終わりにしたいと思います。この調子で行くと今年一杯はこの小説が続けられそうな位本編は進んでいるのですが、皆さんは焦らずゆっくりこの小説を堪能して頂ければ幸いです。

と言う事で今日はこの辺で。次回7月6日にまたお会いしましょう。
それでは。アニィでした。

テーマ : 自作小説 - ジャンル : 小説・文学

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